兵庫銭湯物語 兵庫県公衆浴場業生活衛生同様組合

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銭湯物語をたずねて #1 「人があたたかい町」

INTERVIEW with HAJI IKUMI

2020.04.02

当サイトのトップページの写真は、下町情緒で賑わう神戸市の新長田にある扇港湯さんで撮影しました。
今では兵庫県でも数軒しか残っていない、汲み出し洗い専用槽が利用できる老舗の銭湯です。
昭和38年のポートタワー完成を記念して描かれた神戸港のタイル画が利用客の目を楽しませます。

写真のモデルは、武庫川女子大学で声楽を勉強するかたわら、サロンモデルなどの活動をされている土師伊久美(はじ・いくみ)さん。岡山県出身の土師さんは今は兵庫県で暮らしています。
時々銭湯を利用することのある土師さんに、銭湯や兵庫県の魅力についてうかがいました。


今回のオファーを受けた時にどう感じましたか?

前のホームページがイラストを使ったものだったので、ガラッと印象を変えて、広い年齢層の方に向けたリニューアルをするんだということを感じました。

そうですね。特に今回は若い方を対象に銭湯の魅力を伝えることができれば、と思って土師さんに依頼しました。

ありがとうございます。

銭湯で撮影してどうでしたか?

普段は屋外などで撮影することが多いので新鮮でした。実際に銭湯を利用するので、シチュエーションのイメージがつきやすく、楽しかったです。(カメラマンからの要求も)自分に合っていると思いました。

片足をあげてバランスをとったり、古いマッサージチェアを実際に使ったり、楽しく撮影できましたね。土師さんからもいろいろなアイデアの提案がありました。
―普段、銭湯はどれくらいの頻度で利用しますか?

気分転換したいな、と思った時に行くのですが、2、3カ月に1回か2回は利用しています。

気分転換を図りたい時というのは、どういう時ですか?

最近はお風呂に浸かることを心掛けているのですが、シャワーで済ませて早く寝る方を優先しがちで。だんだん疲れがたまってしまうと感じることがあるし、体だけじゃなく心も…いろいろ考え込んでしんどくなったりした時に、昔何かで見た「銭湯に行くとリラックスする」というのを思い出して。「そろそろ銭湯で気分転換しよう」と思って銭湯に行っています。
それと、銭湯に行くと、ご年配の方が割と多くいらっしゃるじゃないですか。「話聞いてくれるかな」と思って近くのお風呂屋さんに行ったりします。

お風呂屋さんで他のお客さんに話しかけられますか?

割と話しかけられることが多くて(笑) 一人で行くんですけど、お年寄りの方から「若いのになんで一人で来てるの?」って言われて(笑) そこから学校の話とかいろいろ聞いてくれて、ほめてくれたり、アドバイスしてくれたりするから、すごい気分転換になります。

お風呂そのものの効果だけではなくて、人との関わりによる癒しもあるんですね。
―何か、銭湯にまつわる思い出はありますか?

大学に入って友達が家に泊まりに来た時に、一緒に銭湯に行きました。普段話さないようなことをゆっくりお湯につかりながら話せて、なんだか「良いなぁ」と思いました。その時お風呂上りに飲んだ牛乳がめちゃくちゃおいしかったです。

銭湯や湯上りの牛乳はひとりでも楽しめますが、お友達と一緒でどうでしたか。

倍増しました(笑) 

サウナや水風呂、電気風呂などの入浴設備で好きなものはありますか?

普通の熱いお風呂や露天風呂が好きです。電気は…痛くて入れなかったんですよ。「バチバチ」ってくるやつですよね?気づかずに入って「バチバチ」ってなって、こわかったです。

気づかずに?

普通のお風呂とつながってて、敷居を乗り越えたら「バチバチ」ってなって、「いたーい!」ってなりました。表示を見ずに入って。

それはびっくりしますね。浴槽によって温度がちがうこともありますし、表示はしっかり見ましょうね。
表示や注意書きの他にも銭湯の中には面白いものがたくさんあるので今度じっくり見てみてください。
―サウナは好きですか?

昔家族と一緒に入ったことがありますが、今はじっとするのが苦手になって、あんまり入らなくなりました。

どちらかと言うと動くのが好きですか?

はい、アクティブな方が好きです。

それでは水風呂に入ることも無いですか?

そうですね。子どもの頃はガマン大会してました。

熱いお風呂やサウナと冷たい水風呂に交互に入ると、交感神経と副交感神経が刺激されて自律神経を整えることができます。
これからストレスやプレッシャーを感じることがあれば是非試してみてください。

はい、是非。試したくなる時が絶対来ると思うので…。(※土師さんは声楽家として舞台に立つことがあります)

温冷交互浴についてはこちら

大学に入って兵庫県に引っ越してきた土師さんですが、銭湯はすぐに見つかりましたか?

煙突があるなぁと思って、Googleマップとかも見ずにたどり着けました。

昔、今ほど背の高い建物が無かった頃、銭湯の煙突は目印としても機能していました。○○温泉と書いて看板になっている煙突も多かったようです。

あぁ!書いてます。

では昔ながらのお風呂屋さんなんですね。
―兵庫の町に住んでみていかがですか?

皆さんフレンドリーで、目が合って挨拶するだけと思ったらもうワンフレーズあったりするのが兵庫の人なのかなって思います。
この時代にそういう交流があるのがうれしいなって思います。
岡山よりも都会のイメージがあったから、そういう交流がうすれていると思っていました。
「良い天気やねぇ」とか「大学がんばって行ってるか?」って話しかけられたり…。
「行ってらっしゃい」って言われた時がめちゃくちゃうれしかった。ひとり暮らしを始めたばかりで、誰にも声をかけられずに出かけることをさびしいと感じていた時に「行ってらっしゃい」って言われた時は「今日がんばろう」という気持ちになりました。人があったかいです。

お風呂屋さんでも声をかけられるのは土地柄でしょうか。
―銭湯を利用したことのない同世代の人たちにメッセージをお願いします。

入浴を短縮して他のことに割り当てる人って多いのではないかと思います。大きな浴槽で温まることは身も心も癒してくれるので、将来の健康のためにも是非利用してほしいです。
コミュニケーションがとれる場でもあるので、何か不安ごととか失敗があった時に、気分転換のために新しい場所に行くのも良いんじゃないかなって思います。

では最後にこれからの目標をお願いします。

自分の音楽が人の役に立てれるように、一層身をひきしめてがんばりたいと思っています。
撮影のモデルも、いただいた仕事のひとつひとつをていねいにこなしていきたいと思います。

今日はありがとうございました。
撮影を快諾してくださった扇港湯さんもありがとうございました。

ありがとうございました!

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神戸市長田区駒ケ林町2-20-12

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